「初めてのウィッグカット、何が必要なのか知りたい!」
「ウィッグセットって何か特殊なものが必要なのかな?」
初めて自分でウィッグを作るとき、失敗せず理想のものを作りたいですよね。
そしてきっと、まずは何があればいいのかを知りたいと思います。
ウィッグ制作に必要なアイテムをTwitterやInstagramで調べてみても、なかなか全アイテムを載せている人はいないでしょう。
コスプレイヤーさんによっても使っているものは違うし、その時にウィッグを作るキャラクターの髪形で必要なものも変わります。
この記事では、
「ウィッグカットをする時に最低限必要なもの」を始め、
「ウィッグのカット・セットをする時にあると良いアイテム全て」
を現役のコスプレイヤーの意見を交えてお届けします。
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はじめまして。今年でコスプレイヤー歴8年目。
関東でコスプレをしている華乃(かの)と申します。
これまでに何十ものウィッグを作ってきました。
そして、その中で気づいたことがあります。
それは「必要なアイテムを持っていないとウィッグカットもセットも失敗する」ということでした。
いつもうまくいかなかったカットも
『梳き(すき)バサミ』を使った途端うまくできたり、
いままで出来なかった二次元系のセットも
『水のり』を使った途端カッチリ作ることができたり。
持っているアイテムが多ければ多いほど、いろんなカットやセットができることが分かりました。
この記事では「ウィッグカット・セットに必要な全アイテム」を値段感も込みでお届けしていきます。
「こんなアイテムもあるんだ!」と楽しみながら読んでいただけると嬉しいです。
『ウィッグのカット』に最低限必要なもの
キャラクターの髪形によっては、買ったウィッグを少しカットするだけでそのキャラクターの髪形にできることがあります。
上の写真のように、既にキャラクターの髪形で売られている『キャラクターウィッグ』を買った場合は少しのカットでウィッグの完成です。
まずは、そんな『整える程度のウィッグカット』に最低限必要なアイテム3つを紹介します。
髪用ハサミ
値段 100円~
3,000円くらいのものがあれば十分だと思います。
普通の家庭用のハサミは、何でも切ることができるように作られているため刃が厚く作られています。
一方、髪を切るために作られた散髪用のハサミは1本0.08mmの人の髪の毛を切るために刃が薄く作られています。
厚い刃と薄い刃では、切った部分の出来上がりが違います。
家庭用の厚いハサミは断面をちぎるように切っているので、この写真の前髪のようにブツンと切れてしまいます。
家庭用のハサミでウィッグをカットすると
いかにも「切りました」という切れ方をしてしまうので、これからのウィッグカットのために髪用のハサミを持っておくことをオススメします。
今は100均でも売っていますが、100円だとどうしても家庭用のハサミと同じレベルになってしまうのでAmazonでちゃんとしたものを買っておきましょう。
2,000円もあれば、結構良いハサミが買えます。
ウィッグスタンド
値段 100円~1,000円
前髪程度であれば、自分で被りながら切ることができますが顔の横の部分や、特に後頭部は鏡を見ながらでもカットが難しいです。
なので、ウィッグを被せて切ることができる
ウィッグスタンドを買っておきましょう。
上の画像のような簡易的なものであれば、ウィッグを買う時に一緒に売っていることがほとんどです。
今は、セリアやダイソーなどの100均でも手に入れることができます。
この形のウィッグスタンドはとても簡易的なものなので、一番はマネキンヘッドをオススメします。

マネキンヘッドについてはまた後程説明をするね。
ヘアスプレー
値段 薬局で1,000円程度
地毛を固めるスプレー剤は、ウィッグにも使うことができます。
しっかり固めるために『ハードタイプ』がオススメです。
特に野外イベントでは風で前髪が飛んでしまったり髪の毛が乱れやすいので、ウィッグカットの後にスプレーで固めておくと当日のお直しが減って快適に過ごせます。
【完全版】ウィッグカットに必要なアイテム全種
先ほどは、初めてのウィッグカットの時に必ず揃えておきたいもの3つを紹介しました。
ここから先は、ウィッグカットをする時にあった方が良いアイテム全てをお届けします。











購入するかしないかを考えやすいように、それぞれ【値段感】と【どんな時に必要か】まで解説していきます。
ウィッグ用金属ブラシ
値段 1,000円以内
・ウィッグを傷めずとかしたい時
・ウィッグをサラサラにしたい時
コスプレ用のウィッグは基本的に金属製のブラシを使います。
金属製のブラシは、静電気が起きることをおさえウィッグをサラサラにとかすことができます。
通常のクシでもとかすことができるのですが、クシ通りが悪いと感じたら金属製のものを使ってみるのがオススメです。
タングルティーザー
値段 2,000円前後
タングルティーザーはウィッグブラシの上位版です。
イギリスで生まれたタングルティーザーはどんなひどい髪の絡まりもサラサラに戻してしまうことから『魔法のブラシ』と呼ばれています。
ロングウィッグを扱うのであれば必ず持っておきたいのがタングルティーザー。
その威力は本当に感動です!
『鬼滅の刃(きめつのやいば)』の甘露寺蜜璃のウィッグを作った時の事例でお伝えします。
このウィッグはホワイトのウィッグを染めて作りました。
染める時に水洗いが必要で、上の写真のようにごわごわに絡まってしまっています。
それを、タングルティーザーでとかしてみたところ・・・
みなさん、ご覧ください。
お風呂上がりの蜜璃ちゃんはきっとこんな感じなのではないでしょうか。
サラッサラ😆✨✨ pic.twitter.com/rqyewdujqg
— 華乃🌹ちゃん「今週末はトレイコス♣️」 (@s2masimaro) August 17, 2020
ここまでサラサラになりました!
タングルティーザーには蓋の付いているものと付いていないものがあります。
イベントや撮影の当日に持っていきたい場合は、クシの先が折れない蓋付きの方をお勧めします。











私はアシストウィッグのタングルティーザーを使ってるよ。色も可愛くてお気に入り♡
ダッカール
値段 1つ100円前後~
全体的にカットをする時は、ブロッキング(毛束を分けること)をしながらウィッグを切っていきます。
このように切る部分と切らない部分を分けておくことで、カットがしやすく間違えて切ってしまうという失敗も防ぐことができます。
ダッカールは6本ほど持っておくと、どんなカットの時でも困らないです。
すきバサミ
値段 100円~
3,000円くらいのものがあれば十分だと思います。
・ウィッグの毛量を減らしたい時
・切り口を自然にカットしたい時
このすきバサミがあることで、ウィッグの毛量の調整ができるようになります。
ウィッグは、メーカーによって毛量がモッサリあることもあります。
そんな時は、すきバサミで梳(す)いて軽くする作業が必要です。
先ほど説明した髪用のハサミは、『髪を切る』ことに特化しています。
なので、ウィッグを梳いて毛量を軽くしたい時にはすきバサミが必要です。
すきバサミがあれば、ウィッグを切っても切り口がパツンとしないため、自然なカットもできますよ♪
髪用のハサミとセットで3,000円程で手に入れることができるので、これからのためにも思い切って買ってしまっておきましょう。
マネキンヘッド
値段 2,000円~3,500円前後
マネキンヘッドは、先ほどの簡易型ウィッグスタンドの上位版です。
簡易型ウィッグスタンドとは違って人間の頭に近いサイズをしているので、自分の頭の大きさを考えながらウィッグカットをすることができます。
特に自分の頭のサイズに近いものを買うことで、被った時の「切りすぎた…」の失敗を無くすことができます。











これを使うようになってから、「切りすぎた…」の失敗が減ったよ!
私が愛用しているのは『耐熱性ウィッグ専門店スワローテイル』のマネキンヘッド。
マネキンのお顔はあんまり可愛くないのだけど(ごめんなさい)、人の頭周りの大きさに近く設計されているから
このマネキンで丁度いいくらいにカットをすると自分が被った時にジャストサイズになってるんだ。
また、ヘッドマネキンを買う時はスタンドも一緒に買うことをオススメします。
マネキンだけだと机や台に置いてカットすることになるのですがその場合、ミディアム以上のウィッグだと下についちゃって切りにくい。
快適にカットをするためにもあわせて持っておくのがオススメです。
また、ヘッドマネキンによってはハマるスタンドとハマらないスタンドがあるので確実にセットするためにも同じメーカーで買っておくと良いでしょう。
そして、この『カットクロス』まであればもう完璧!
これはアシストウィッグの販売するカットクロスなのですが、これを付けることで下に毛が落ちません。
カット後の掃除機が不要になって楽なのであるととっても便利です。
【おまけ】シリコンスプレー
値段 1本1,000円前後
ウィッグの種類や毛質によっては絡まりやすいものがあります。
特にカールウィッグはとても絡まりやすく、一度絡まるとなかなかほどけないことも。
最悪の場合、届いたときから既に結構絡まっていることもあります。
そんな時の味方がシリコン配合スプレー。
吹きかけるとウィッグの表面をシリコンがコーティングしてくれるので、絡まりがほぐしやすく絡まりづらくしてくれます。











ストレートウィッグではほぼ必要ありませんが、カールウィッグなど癖の付いている絡まりやすいウィッグを扱う時にあると便利です。
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以上が『ウィッグカットをする時に必要なもの、あると良いアイテム』でした。
次は、ウィッグセットに必要なもの、あると良いアイテムを見ていきましょう♪
【完全版】ウィッグセットに必要なアイテム全種
ここから先は、ウィッグセットをする時にあると良いアイテム全てをお届けします。











先ほどと同じく、購入するかしないかが考えやすいようにそれぞれ【値段感】と【どんな時に必要か】まで解説していきますね。
ヘアアイロン(ストレート用)
値段 安いもので2,000円前後~
・ウィッグをストレートにしたい時
・ウィッグに形をつけたいとき
事前知識ですが、ウィッグは熱で柔らかくなり冷めると固まります。
鉄をイメージして頂ければ大丈夫です。
自分の髪と同じく、ウィッグも熱を与える事でストレートにできたりカールを作ることができます。
そこで、ウィッグのセットでも必要となるのがヘアアイロン。
これは必ず必要です!
ウィッグセットをする時は必ず用意しておきましょう。
ヘアアイロン(カール用)
値段 安いもので2,000円前後~
ウィッグを巻きたい、カールを作りたい時はカール用のヘアアイロンもあるといいです。
熱さえ与えることができれば、形づけはできるのでストレートアイロンでも巻髪を作れないこともないのですが
やはり巻くときはカール専用のヘアアイロンで行った方が綺麗に巻くことができます。
ドライヤー
値段 ピンからキリまで
・自然に毛の流れを整えたい時
・整髪剤やワックス剤をすぐに乾かしたい時
全体的に熱をかけるために使うので、ドライヤーの種類は何でもかまいません。
前髪を自然に流したい時、毛の流れる向きを変えたい時に使えます。
こちらは、ストレートだった前髪をドライヤーを使って左向きに流したウィッグです。
ヘアアイロンだと、一部分のみを熱することになるので全体を自然に癖づけることが難しいのですが
ドライヤーであれば、当てながら髪の毛を流したい方向に倒すだけでこのように自然に毛流れを作ることができます。
コーム
値段 100円~
・ウィッグに「ふかし」を入れたいとき
・2次元のような髪形にセットをしたい時
ウィッグセットには「ふかし」という技法があります。
「ふかし」は、毛にわざと逆毛を立ててボリュームを出すという技法です。
自分の髪の毛でお団子を作る時、ボリュームを出すために逆毛を作ることがあると思います。
それと同じ方法です。
「ふかし」を入れることで、毛の根元にボリュームを出すことができ下のような毛束間のあるセットができます。
目の粗いクシでないとうまく「ふかす」ことができないので、毛束間のあるセットをしたい時はコームを一本持っておきましょう。
コームは100均のもので十分です。
ウィッグ用ワックススプレー剤
値段 1本2,000円前後
・2次元スタイルのセットをしたい時
・ウィッグをカチカチに固めておきたい時
冒頭でお話したように、普段の地毛用ワックススプレーでもウィッグをセットすることはできます。
しかし、強風や持ち運び時に崩れないようにするには更にカッチカチに固めておく必要があります。
そんな時は、コスプレ専門店から販売されているウィッグ用のワックススプレーを使いましょう。
これは、セット後にウィッグ用のワックススプレーでカチカチに固めたウィッグです。
ガチガチに固めておいたので、持ち運ぶ時も野外イベントの当日も崩れることなくスタイルをキープできました。
セットが完成した状態でしっかり固めておくことで、当日のお直しもほとんどなく過ごすことができます。











2次元のような髪形のウィッグセットをしたい時は、ウィッグ用ワックススプレーを1本持っておこう!
ワックススプレーでガチガチに固めたウィッグは、シャンプーで洗うことで元の状態に戻せます。
私がいま使っているのは『耐熱性ウィッグ専門店スワローテイル』の『FREEZE LOCK CREATOR(フリーズロッククリエイター)』。
セットし終わった後にウィッグが濡れるくらいまで吹きかけて、ドライヤーで乾かすと本当にガチガチに固まってくれます!
水のり
値段 100円前後
・束間のある髪型のセットをしたい時
・一か所を束ねたり、ポイントでウィッグを固めたい時
先ほどのスプレーワックスは全体的に固めたい時にオススメなのに対して、水のりはピンポイントで固めたい時にオススメです。
固めたい箇所に染み込ませ、ねじってまとめることで毛束感を作ります。
こちらは、ツイステッドワンダーランドのリドル・ローズハートのウィッグ。
彼のチャームポイントであるハート型の触角は、水のりだけで固めて作りました。
前髪の束間も水のりで再現しています。
スプレータイプはピンポイントにだけ当てるのが難しいのですが、水のりであれば手に付けて直接ウィッグに塗って整えることができます。











ピンポイントで固めたい、毛束を作りたい時は水のりがオススメ!
時間が経って乾いてきてから触ってしまうとカスが出て白くなってしまうので手早く作業しよう。
保冷剤
値段 100円程度
・熱したウィッグをすぐに固めたい時
・立ち上がった前髪などの重力に逆らったウィッグセットをしたい時
ウィッグは熱を加えた時に柔らかくなり、その熱が冷めた時の形で固まります。
なので、ストレートにしたい時はアイロンをかけてそのまま放っておけば良いのですが、立ち上がった前髪を作りたい時や
重力に逆らったカールを作りたい時は理想の形になった瞬間に固める必要があります。
そんな時に役立つのが保冷剤!
熱した後、理想の形にした瞬間に保冷剤で冷やすことでそのままの形でウィッグが固まってくれます。
これは『鬼滅の刃(きめつのやいば)』の甘露寺蜜璃のウィッグです。
蜜璃ちゃんの立ち上がった前髪を作るためにアイロンで熱した後、保冷剤で冷やしています。
保冷材のおかげで、理想の形でウィッグを固めることができました。
重力に逆らったセットをしたい時は保冷材もあるとこんな感じで好きな角度や位置でウィッグを固めることができます。
グルーガン(ホットガン)
値段 100円~
グルーガンはDIY工作用のアイテムです。
専用の棒状の固形グルーを熱で溶かし、物と物を接着させることができます。
このグルーガン、ウィッグセットをする時にも大活躍します!
こちらは、『鬼滅の刃(きめつのやいば)』の甘露寺蜜璃ウィッグのおでこの生え際に、グルーガンで生え際パーツを接着した写真です。
熱で溶けた専用のグルーは粘度が高いため、接着剤では付けることができないもの同士を簡単にくっつけることができます。











ウィッグに角(つの)などの小物を付けたり毛束を植毛することもできるので、上級者向けのキャラクターウィッグを作る時には持っておくと理想のウィッグが作れます。
【おまけ】固形・ジェルタイプのワックス剤
値段 1,000円以内
コスプレイベントの更衣室内では、他の方の迷惑にならないように【スプレー剤の使用が禁止】されています。
そんな時のために、固形タイプのワックスを持っておくと良いでしょう。
固形タイプのものを使う時は、水分量が多いとうまく固まってくれないので、水分量の少ない『マットタイプ』がオススメです。
また、更にカチカチに固めておきたい時はジェルタイプのウィッグ用ワックスもオススメです!
どちらも、先ほど紹介した水のりと同じ感覚でウィッグセットすることができます。











普段のウィッグセット時にも使えるので、水のりと比べて自分の使いやすいものを見つけてくださいね♪
【おまけ】ウィッグトリートメントスプレー
値段 1,500円前後
・絡んでしまったウィッグをサラサラに戻したい時
・カールウィッグの絡まりをといて綺麗なカールに戻したい時
冒頭でお話をした『シリコンスプレー』はウィッグをサラサラにするのに特化していますが、
このトリートメントスプレーは傷みや絡みを修復するのに適しています。
「ふかし」で立ててしまった逆毛を元の状態に戻したり、ボサボサになってしまったカールを修復することもできます。
セットしたウィッグの逆毛や絡まりを修復し、元の状態に戻したい時に役に立つのがトリートメントスプレーです。
まとめ
以上、『ウィッグのカットに最低限必要なもの』を始め
ウィッグのカット、セットに必要なアイテム全てを紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
「とりあえず、まずは一式揃えたい」という方には、スターターキットとしてセット販売されているものもあります。
「何から用意していいか分からない」
そんなあなたは、初めにお話しした最低限必要なアイテムをまずは揃えてみてください。
そこから、作りたいウィッグにあわせてこのページの【こういう時に必要】のポイントを参考に新しいアイテムを用意していってみてくださいね。
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もし、このページに足りないアイテムを知っている時も、上のボタンからツイートして教えてもらえると助かります。
ウィッグはなりたいキャラクターに近づくためにも、大切な要素のひとつ。
必要なアイテムを揃えて、万全の体制で楽しく制作に臨みましょう♪


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